去る6月末、神奈川県教育長と教育支援長が作品の管理不行き届きのお詫びということで、拙宅に謝罪に訪れてより5ヶ月。これで、私の作品に対する対応には、一応の決着がついたことになる。
これまで、神奈教との数度の協議、現地視察、現場責任者とのかなり密なやり取りをしながら、回収修復をまかされてこの日を迎えたわけであるが、その対応には、それなりの満足を感じている。
ただ、何分にも公共的な処理をしないといけないという関係から、やたらと遠回りで書類の提出が多いなという印象も否めなかった。この辺のところは、公的助成を受ける時と同様で、実制作に専念する者としては、時間も取られてかなり負担を感じてしまうところなのである。
もっとも、アートプロジェクトの一つととらえれば、話は別なのであるが、、、。


ともあれ、今回の事は全く予期していなかった事件(私にとっては)ではあったが、当事者それぞれが、一応の納得のいく着地点に到達できたことは喜ばしい。また以前とは異なり、日常的に作品と接する人々が、美術を志す高校生というのも良いものだと思った。なぜなら、それは式典に参加してくれた学生たちの目が、とても澄んでいたからだ。
とにかく、今回の事が、今後も起こりうるであろうパブリックコレクションの問題解決の良い事例になる事とを願いつつ、私たちは会場を後にした。